会社の規模が大きくなるにつれて、管理する社員やクラウドサービスの数も増えていきます。
創業当初は数十人程度だった会社でも、社員の増員や新しい部署の設置、拠点の追加などによって、アカウント管理が急に複雑になることがあります。
「社員が増えるたびにアカウントを作成している」
「誰がどのサービスを使っているのか分からなくなってきた」
「今のSSOやID管理の仕組みで社員数が増えても対応できる?」
このような課題を感じ始めたら、認証環境を見直すタイミングかもしれません。
本記事では、社員数や利用サービスが増えたときに起こりやすいID管理の課題と、企業の成長に合わせてSSOを活用するためのポイントを解説します。
社員が増えるとアカウント管理も増える

社員が増えれば、単純に管理するアカウント数も増加します。
さらに現在では、一人の社員が複数のクラウドサービスを利用することも珍しくありません。
例えば100人の社員が10種類のサービスを利用していれば、単純計算では最大1,000件のアカウントを管理する可能性があります。
実際には利用者や権限がサービスごとに異なるため、管理はさらに複雑になります。
社員数だけでなく、**「社員数×利用サービス数」**で管理負荷が大きくなっていくことを意識する必要があります。
企業の成長で起こりやすいID管理の課題
入社時のアカウント作成が増える
採用人数が増えると、入社のたびに、
- メール
- チャット
- Web会議
- 勤怠管理
- 経費精算
- CRM
など、複数サービスのアカウントを作成する必要があります。
サービスごとに手作業で登録していると、担当者の負担が増えるだけでなく、登録漏れや設定ミスも発生しやすくなります。
異動による権限変更が複雑になる
社員数が増えると、部署異動や役職変更も増えていきます。
異動先の権限を追加するだけで、以前の部署の権限を削除し忘れてしまうケースも考えられます。
その状態が積み重なると、本来必要のない情報へアクセスできる社員が増えてしまいます。
👉 「最小権限の原則(PoLP)とは?企業がアクセス権限を最適化する考え方を解説」
退職時の停止漏れが起こりやすくなる
社員数が増えれば、当然ながら退職時のアカウント停止作業も増えます。
利用サービスを正確に把握できていなければ、一部のSaaSだけアカウントが残る可能性があります。
👉「退職・異動時のアカウント管理チェックリスト|情報漏えいを防ぐために確認したい10項目」
SaaSが増えることも管理負荷を高める
会社の成長に伴って増えるのは社員だけではありません。
営業部門がCRMを導入したり、人事部門が採用管理サービスを導入したりと、部署ごとに新しいSaaSが追加されることがあります。
その結果、
「社員はそれほど増えていないのに、管理するアカウントだけ増えている」
という状態になることもあります。
👉 「SaaSが増えると管理が大変?クラウドサービスを効率よく運用する5つのポイント」
SSOを導入すると何が変わる?

SSO(シングルサインオン)を利用すると、一度の認証で複数のクラウドサービスへアクセスできる環境を構築できます。
利用者にとっては、サービスごとにIDやパスワードを管理する負担を減らせます。
管理者側でも、認証を集約することで利用者やサービスを把握しやすくなります。
ただし、SSOを導入するだけですべてのアカウント管理が自動化されるわけではありません。
SSOとID管理を組み合わせ、入社・異動・退職まで含めた運用を設計することが重要です。
👉 「IDaaSとは?SSOとの違いや導入するメリットをわかりやすく解説」
企業の成長に対応できるSSOを選ぶポイント
ユーザーを追加しやすいか
社員数が増えるたびに複雑な設定が必要では、管理負荷も大きくなります。
ユーザー登録やグループ設定など、日常的な管理作業のしやすさを確認しましょう。
利用サービスを追加しやすいか
現在利用しているサービスだけでなく、将来導入する可能性があるSaaSにも対応できるか確認します。
連携できるサービスや認証方式が幅広ければ、会社の成長に合わせて拡張しやすくなります。
👉 「SSO製品の選び方とは?比較するときに確認したい7つのポイント」
部署・役割ごとに管理できるか
社員数が増えるほど、全員に同じサービス・権限を付与する運用は難しくなります。
例えば、
営業部
→ CRM・営業資料
経理部
→ 会計・経費精算
人事部
→ 人事・採用管理
といったように、部署や役割に応じて利用サービスや権限を管理できる仕組みが重要です。
MFAやアクセス制御を組み合わせられるか
社員や拠点が増えると、アクセスする場所や端末も多様になります。
そのため、SSOだけでなく、
- MFA
- 端末による制御
- アクセス場所による制御
などを組み合わせられる環境を検討しましょう。
👉 「条件付きアクセスとは?Microsoft Entra IDで実現するクラウドセキュリティをわかりやすく解説」
複数拠点でも認証を一元管理できる

支店や営業所が増える場合も、クラウド型のSSO・ID管理は有効です。
拠点ごとに個別の認証環境を構築するのではなく、本社を含めた全社のIDを一元管理することで、統一した認証ルールを適用しやすくなります。
例えば、本社・支店・テレワーク社員が同じ認証基盤を利用することで、働く場所に左右されにくい認証環境を構築できます。
小規模なうちから管理ルールを整えるメリット
「社員が100人になったらSSOを考えよう」といった明確な基準があるわけではありません。
むしろ、アカウント管理が複雑になる前に、
- アカウント発行ルール
- 権限付与ルール
- 異動時の変更ルール
- 退職時の停止ルール
を整備しておくことが重要です。

社員数が少ないうちは担当者の記憶やExcelでも管理できるかもしれませんが、会社が成長すると同じ方法では対応しにくくなります。
将来の社員数やSaaS利用の増加も考えながら、早い段階から拡張しやすい仕組みを整えておきましょう。
SSO・ID管理を見直すタイミング
次のような状態が増えてきたら、認証環境を見直す一つの目安です。
- 社員の入退社が増えてきた
- 部署異動が多くなった
- 利用SaaSが増えてきた
- アカウントをExcelで管理している
- アカウント作成・停止を手作業で行っている
- 拠点が増えた
- 情報システム担当者の負担が大きくなっている
一つでも該当したから必ずSSOが必要というわけではありません。
複数の課題が重なってきた場合には、現在の管理方法が会社の規模に合っているか確認してみるとよいでしょう。
まとめ|会社と一緒に成長できる認証環境をつくろう
企業が成長すると、社員数だけでなく、部署・拠点・クラウドサービス・アカウントも増えていきます。
そのたびに個別対応を続けていると、管理負荷や設定漏れのリスクも大きくなります。
重要なのは、現在の規模だけで認証環境を考えないことです。
SSOやID管理を活用し、社員やサービスを追加しても管理しやすい仕組みを整えることで、企業の成長に対応しやすい認証環境を構築できます。

企業の成長に合わせて認証環境も見直しませんか?
「社員や利用サービスが増え、アカウント管理が大変になってきた」という状況は、認証環境を見直すタイミングの一つです。
Smart Gateでは、SSOをはじめ、多要素認証(MFA)やアクセス制御などを組み合わせ、企業の利用環境に合わせた認証管理をご支援します。
現在の社員数だけでなく、将来的な増員や拠点追加、クラウドサービスの拡大も考えながら、運用しやすい認証環境を検討することが重要です。
「今の管理方法をこのまま続けてよいか分からない」「社員数が増えても対応できるSSOを検討したい」といった段階でも、ぜひお気軽にお問い合わせください。



執筆者:メディアマート株式会社 マーケティングチーム
クラウドPBX、セキュアブラウザ等のユニファイドコミュニケーションやネットワークセキュリティに関わる事業を15年運営。業界の最新常識やトレンド情報を発信しています。
















































