企業では、業務効率化を目的として1つのアカウントを複数人で利用する「共有アカウント(共用ID)」が使われることがあります。
例えば、
- 代表メール
- 共用パソコン
- 業務システム
- クラウドサービス
などで、複数人が同じIDとパスワードを共有しているケースは珍しくありません。
一見すると便利な運用ですが、セキュリティや管理の観点ではさまざまなリスクがあります。
本記事では、共有アカウントの問題点と、安全に運用するためのポイントについて解説します。
共有アカウントとは

共有アカウントとは、複数の社員が同じIDとパスワードを利用してログインする運用です。
例えば、
- info@
- support@
- reception@
- 共用端末ログイン
などが代表例です。
メールアドレスを共有すること自体は問題ありませんが、ログインまで同じIDで運用する場合は注意が必要です。
なぜ共有アカウントが使われるのか
共有アカウントが利用される理由として、
- 誰でも対応できる
- 引き継ぎしやすい
- 管理が簡単だと思われている
などがあります。
しかし、こうした利便性の裏には管理上の課題が潜んでいます。
共有アカウントのリスク

誰が操作したか分からない
最大の問題は、操作した本人を特定できないことです。
例えば、
- 設定変更
- データ削除
- メール送信
などが行われても、誰が実施したのか追跡しづらくなります。
監査やトラブル対応の際にも、大きな課題となります。
パスワード管理が甘くなりやすい
複数人で利用するため、
- 紙に書いて貼る
- チャットで共有する
- 長期間変更しない
といった運用になりやすく、不正利用のリスクが高まります。
退職者も知っている可能性がある
パスワードを共有している場合、退職者が認証情報を把握したままになるケースがあります。
担当者が退職してもパスワードを変更していなければ、不正アクセスのリスクを残してしまいます。
👉 「退職者アカウントの削除漏れが危険?見落としやすいID管理リスクと対策を解説」
共有アカウントを減らすための考え方
個人アカウントを基本にする
可能であれば、社員ごとに個人アカウントを発行し、それぞれの権限で利用することが望ましいでしょう。
これにより、誰がいつ操作したのかを記録しやすくなります。
権限を適切に設定する
「全員が管理者」という状態は避け、業務に必要な権限だけを付与することが重要です。
👉 「管理者アカウントが狙われる理由とは?企業が見直したい特権ID管理の基本」
MFAを有効にする
個人アカウントで運用する場合は、多要素認証(MFA)を設定することで、不正ログインのリスクを軽減できます。
👉 「MFA(多要素認証)はどこまで必要?企業が設定すべきサービスと優先順位を解説」
代表メールはどう運用すればよい?
「info@example.co.jp」などの代表メールは、多くの企業で必要な存在です。
この場合は、
- メールアドレスは共有
- ログインは個人アカウント
という運用が理想です。
Microsoft 365やGoogle Workspaceでは、共有メールボックスなどの仕組みを利用できるため、IDを共有しなくても複数人でメール対応が可能です。

SSOを活用すると運用しやすい
クラウドサービスが増えると、サービスごとにIDを管理する負担が大きくなります。
SSOを導入することで、
- 個人アカウント管理
- 認証の一元化
- 入退社時の管理
などを効率化できます。
「共有IDだから管理しやすい」という考え方から、「個人IDでも管理しやすい」環境へ移行しやすくなります。
👉 「SSO導入で失敗する企業の共通点|導入前に知っておきたい落とし穴と対策」
まとめ|共有アカウントは便利さとリスクを理解して運用する
共有アカウントは便利な反面、
- 操作履歴が分からない
- パスワード管理が甘くなる
- 退職者リスクがある
など、管理上の課題があります。
今後は、個人アカウントを基本とし、必要に応じて共有メールボックスやSSOを活用することで、安全で効率的な運用を目指しましょう。
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共有アカウントに頼った運用は、管理やセキュリティの面で多くの課題があります。
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執筆者:メディアマート株式会社 マーケティングチーム
クラウドPBX、セキュアブラウザ等のユニファイドコミュニケーションやネットワークセキュリティに関わる事業を15年運営。業界の最新常識やトレンド情報を発信しています。
